◆ 朝倉山椒とは
朝倉山椒は、兵庫県養父市八鹿町朝倉を発祥の地とする山椒です。
一般的な山椒には鋭いトゲがありますが、朝倉山椒はトゲがない、または少ない山椒として知られており、栽培や収穫がしやすい点が特徴です。
歴史も古く、養父市観光協会では、朝倉山椒は400年の歴史を持つ養父市の特産品と紹介されています。かつては徳川家康に献上された記録もあり、高級贈答品として珍重されてきた山椒です。
味わいは、柑橘を思わせる爽やかな香りと、比較的まろやかな辛みが特徴です。国内の高級料理店で使われるほか、海外の料理人からも注目されている山椒として紹介されています。
国内の山椒収穫量で見ると、兵庫県は令和5年産で全国3位・46トンです。全国収穫量462トンに対して、兵庫県は約10%を占めます。ただし、この数字は「朝倉山椒だけ」の品種別シェアではなく、兵庫県全体のさんしょう収穫量です。
朝倉山椒は、実山椒、粉山椒、佃煮、山椒味噌、山椒オイル、調味料など幅広く使われる、山椒を知るうえでまず押さえておきたい代表的な品種です。
◆ 朝倉山椒の産地
朝倉山椒の発祥地は、兵庫県養父市八鹿町朝倉地区とされています。
現在では、養父市を中心とした但馬地方の特産品として栽培されています。
但馬地方は、昼夜の寒暖差があり、山あいの自然環境にも恵まれた地域です。
こうした環境の中で育つ朝倉山椒は、香りのよさと風味の豊かさが評価されています。
JAたじまでは「朝倉さんしょ」として紹介されており、但馬生まれの風味豊かな山椒として地域ブランド化されています。
江戸時代には献上品として扱われた歴史もあり、現在も但馬地域を代表する特産品のひとつです。
◆ 朝倉山椒の特徴
朝倉山椒には、主に次のような特徴があります。
1. 香りがよい
朝倉山椒は、爽やかな柑橘系の香りが特徴です。
山椒特有の刺激だけでなく、ふわっと広がる上品な香りがあり、料理に使うと風味が引き立ちます。
特に、佃煮、炊き込みご飯、魚料理、肉料理、和え物などに使うと、山椒の香りを楽しみやすくなります。
2. 辛みがまろやか
山椒というと、舌がしびれるような強い刺激をイメージする人も多いかもしれません。
朝倉山椒は、刺激がありながらも辛みが比較的まろやかで、後味がすっきりしているとされています。
そのため、山椒の強い辛みが苦手な人でも使いやすい山椒です。
3. 実が大きい
朝倉山椒は、実が大きく、鮮やかな緑色をしている点も特徴です。
実山椒として使うと、見た目にも存在感があり、料理のアクセントになります。
4. 木にトゲがない、または少ない
朝倉山椒は、木にトゲがない、または少ない山椒として知られています。
一般的な山椒は枝に鋭いトゲがあるため、収穫や剪定のときに扱いにくいことがあります。
その点、朝倉山椒は比較的作業しやすく、栽培面でも扱いやすい山椒といえます。
養父市観光協会も、朝倉山椒について「木にトゲがなく、実は大粒で、鮮やかなグリーンが特長」と紹介しています。
◆ 朝倉山椒の歴史
朝倉山椒は、400年以上の歴史を持つ山椒として知られています。
兵庫県養父市八鹿町朝倉地区で古くから受け継がれ、江戸時代には高級な献上品として珍重されたと伝えられています。
養父市観光協会では、朝倉山椒について、豊臣秀吉や徳川家康にまつわる記録が残る山椒として紹介しています。
また、JAたじまも、朝倉山椒を「江戸時代、幕府に献上された逸品」として紹介しています。
このように朝倉山椒は、単なる香辛料ではなく、但馬地方の歴史や食文化と深く結びついた山椒です。
◆ 朝倉山椒の使い方
朝倉山椒は、実山椒、乾燥山椒、粉山椒、加工品など、さまざまな形で使われます。
実山椒として使う
初夏に収穫される青い実は、実山椒として使えます。
下処理をしてから、佃煮、ちりめん山椒、炊き込みご飯、煮魚、肉料理などに利用できます。
粉山椒として使う
乾燥させた山椒を粉にしたものは、粉山椒として使われます。
うなぎ、焼き鳥、ステーキ、唐揚げ、味噌汁、鍋料理などに少量ふりかけると、香りが立ちます。
加工品として楽しむ
朝倉山椒は、佃煮、山椒味噌、山椒醤油、山椒オイル、山椒塩などの加工品にも使われます。
そのままご飯にのせたり、料理の調味料として使ったりできるため、家庭でも取り入れやすい山椒です。
少量だけ使う場合は、必要な分だけ取り出して使います。
解凍したものを再び冷凍すると風味が落ちやすいため、使う分だけ取り出すようにしましょう。
◆ 朝倉山椒を買うときのポイント
朝倉山椒を購入するときは、次の点を確認すると選びやすくなります。
1. 生の実山椒か、加工品か
初夏の時期には、生の実山椒が出回ることがあります。
生の実山椒は下処理が必要ですが、香りを楽しみやすいのが魅力です。
一方、佃煮や粉山椒、山椒味噌などの加工品は、すぐに使えるため手軽です。
2. 産地を確認する
朝倉山椒を選ぶときは、兵庫県但馬地方、養父市、朝倉さんしょなどの表示を確認するとよいでしょう。
産地や生産者がわかる商品は、品質や特徴を判断しやすくなります。
3. 用途に合わせて選ぶ
炊き込みご飯や佃煮に使うなら実山椒、うなぎや焼き鳥に使うなら粉山椒、日常的に手軽に使うなら山椒塩や山椒味噌などの加工品がおすすめです。
まとめ
朝倉山椒は、兵庫県養父市八鹿町朝倉地区にゆかりのある山椒です。
爽やかな香り、まろやかな辛み、大粒の実、トゲが少ない木が特徴で、実山椒や粉山椒、加工品として幅広く利用されています。
山椒の種類を知るうえで、朝倉山椒はぜひ覚えておきたい代表的な山椒のひとつです。
